「ネット社会の歩き方:レッスンキット」 実践研究報告書
7. 開発ソフトウェア 
 新規に必要となるプログラム、ツールを含むソフトウェアの仕様を記す。
 開発した教材ソフトウェアの種類は以下のとおり
○学習ユニット
○電脳商店街
 開発したカリキュラムの種類は以下のとおり
○教師用資料(指導事例、プレゼンテーション資料、ワークシート)

 これらのソフトウェアを利用するためのプログラム、ツールは以下のとおり。
・マクロメディア社FlashPlayer
・アドビ社AdobeAcrobatReader
・マイクロソフト社InternetExplorer
・マイクロソフト社PowerPoint
・マイクロソフト社Word
・ジャストシステム社一太郎

7.1 学習ユニット
 それぞれの学習ユニットはネット社会で発生しているトラブルやその発生原因をアニメーション・ムービーで再現し、問題の解説や何故問題となるのか、そして問題が発生した後の対処方法について、学習することを目的とした教材。
 一斉学習用に学習課題のみ提示してそのあと生徒が考え、学習する課題提示型と解説画面まで提示する個別学習型を同一学習テーマで別々に開発した。

 4つのカテゴリに分類し、合計34個の学習ユニットで構成される。
 ○インターネットで情報検索(5ユニット)
  01無料ダウンロードは慎重に
  02 Webサイトの情報を活用しよう
  03こんなWebサイトに気をつけて
  04大人向けの情報に注意
  05危険な情報に注意
 ○インターネットで情報発信(11ユニット)
  06ネットで悪口は要注意
   07ネットで悪口が罪になる
   08おもしろ半分では無責任
   09確かな情報を発信しよう
   10住所や電話番号をおしえるのは慎重に
  11個人情報は公開しない
  12個人情報は大切なデータ
  13他人の絵や文章のコピーは要注意
  14音楽データ交換サイトは要注意
  15コピーしてもいいの?
  16とばく行為は禁止
 ○インターネットでコミュニケーション(12ユニット)
  17ネズミ講は禁止 
  18マルチ商法に注意 
  19チェーンメールはカット 
  20スパムメールは無視
  21契約は慎重に 
  22ネット上のあぶない出会い 
  23携帯電話を賢く使おう
  24チャットで個人情報は言わない 
  25チャットの危険性 
  26電子掲示板の賢い利用方法 
  27コンピュータウイルスに注意 
  28他人になりすまして
 ○インターネット・ショッピング(6ユニット)
  29クレジットカードの取扱いは慎重に 
  30ネットショッピングの活用 
  31雲隠れに注意 
  32個人輸入は慎重に
  33発注ミスに注意 
  34ネットオークションの賢い利用方法
 
 また、校種によっては学習テーマとならないであろう学習ユニットは学習時には目次画面から見えないように、校種毎に目次画面を用意した。
 次のページに学習ユニットトップ画面、一斉学習用解説画面無しの目次画面(全校種、小学校、中学校、高等学校)、個別学習用解説画面無しの目次画面(全校種、小学校、中学校、高等学校)を記す。


 
 「図1 学習ユニットトップページ画面」

 
 「図2 小学校用一斉学習用解説無し目次画面」


 「図3 中学校用一斉学習用解説無し目次画面」

 
 「図4 高等学校用一斉学習用解説無し目次画面」


 
 「図5 全校種用一斉学習用解説無し目次画面」

 
 「図6 小学校用個別学習用解説有り目次画面」


 
 「図7 中学校用個別学習用解説有り目次画面」

 
 「図8 高等学校用個別学習用解説有り目次画面」

 
 「図9 全校種用個別学習用解説有り目次画面」

(1) インターネットで情報検索
「01無料ダウンロードは慎重に」

 
「10 01無料ダウンロードは慎重に」


Webサイトを使った悪徳業者の実態(手口)を知り、悪徳商法や業者にだまされないようにするにはどうしたらよいか考える。
「02Webサイトの情報を活用しよう」 

「図11 02Webサイトの情報を活用しよう」


Webの仕組みや検索エンジンの特徴(ディレクトリ型とロボット型)、キーワードの指定方法を知る。Webサイトの情報は全て正しくはない事を知り、信頼できる情報の選択の仕方を知る。

 

「03こんなWebサイトに気をつけて」

「図12 03こんなWebサイトに気をつけて」

美味しい情報やサービス、物が無料で手軽に入手できる裏にその代償がある事を知り、適切な対応が取れるようになる。例えば、「無料お試し」や「素敵なプレゼント」での個人情報データやクレジットカード番号を不正に取得しているサイトがある事を知り、入力しないようにする。
「04大人向けの情報に注意」

「図13 04大人向けの情報に注意」

インターネットのWebページには成人向けの情報が含まれていることを知り、そのような情報に出会った際の正しい対処法を考える。
「05危険な情報に注意」

「図14 05危険な情報に注意」

インターネットのWebページには有害な情報が含まれていることを知り、そのような情報に出会った際の正しい対処法を考える。
(2)インターネットで情報発信
「06ネットで悪口は要注意」 

「図15 06ネットで悪口は要注意」

相手の心を傷つける行為のおろかさを知る。ログ情報で記録が残る事を知る。
「07ネットで悪口が罪になる」

「図16 07ネットで悪口が罪になる」

ネット上での悪口の影響の大きさを知る。
「08おもしろ半分では無責任」

「図17 08おもしろ半分では無責任」

ウェブページで情報を発信する場合の心構え(見る人の立場、掲載して良い情報、責任等)について知る。
「09確かな情報を発信しよう」

「図18 09確かな情報を発信しよう」

インターネット上に不確実な情報、誤った情報を発信することの影響を知り、情報を流す際に検証する態度を学ぶ。
「10住所や電話番号をおしえるのは慎重に」

「図19 10住所や電話番号をおしえるのは慎重に」

個人情報の保護についてその重要性を知り、情報を守るための方法について理解する。
「11個人情報は公開しない」

「図20 11個人情報は公開しない」

ホームページや電子掲示板、チャットなどで個人情報を公開することでの問題点や危険性を知り,その取り扱い方を学ぶ。
「12個人情報は大切なデータ」

「図21 12個人情報は大切なデータ」

業者に集まった個人情報の不正売買や本来の利用目的以外に利用される可能性がある事を知る。
「13他人の絵や文章のコピーは要注意」

「図22 13他人の絵や文章のコピーは要注意」

知的所有権とは何かを知り、ホームページ作成での注意点を知る。
「14音楽データ交換サイトは要注意」

「図23 14音楽データ交換サイトは要注意」

知的所有権、音楽著作権について知り、ネットワーク上での音楽データファイルの取扱注意点を知る。
「15コピーしてもいいの?」

「図24 15コピーしてもいいの?」

知的所有権の意味を知り、知的所有権を遵守することの大切さを考えて正しい行動をとれるようにする。
(3)インターネットでコミュニケーション
「17ネズミ講は禁止」

「図25 17ネズミ講は禁止」

ネズミ講について知り、このような誘いをメールで受けた場合の対応方法を知る。
法律に違反した行為であることを知る。
「18マルチ商法に注意」

「図26 18マルチ商法に注意」

マルチ商法などを見ぬく知識を身に付ける。
「19チェーンメールはカット」

「図27 19チェーンメールはカット」

パソコン、携帯電話も含めチェーンメールについて知り、その対応方法について考える。
「20スパムメールは無視」

「図28 20スパムメールは無視」

パソコン、携帯電話も含めスパムメールについて知り、その対応方法について考える。
「21契約は慎重に」

「図29 21契約は慎重に」

ネット社会だけでなく日常の生活の中で契約の大切さを知り、安易な契約の危険性について知る。
「22ネット上のあぶない出会い」

「図30 22ネット上のあぶない出会い」

画面の向こうに人がいる事を理解。ネット上の仮想的な社会で、簡単に見ず知らずの人とコミュニケーションすることで発生する問題点を理解し、注意点を知る。具体的には出会い系サイトの注意点を知る。
「23携帯電話を賢く使おう」

「図31 23携帯電話を賢く使おう」

携帯電話のマナーや取扱い上の注意点、迷惑メールや悪質業者から身を守る方法を知る。
「24チャットで個人情報は言わない」

「図32 24チャットで個人情報は言わない」

チャットの便利さを知る。チャットを行う上での注意点を知る。
「25チャットの危険性」

「図33 25チャットの危険性」

チャットの危険性を知る。
「26電子掲示板の賢い利用方法」

「図34 26電子掲示板の賢い利用方法」

電子掲示板の特徴を知り、有効活用方法を考える。生徒と先生のコミュニケーション、学習成果の蓄積、交流(生徒同士、異学年、学校間)、電子掲示板利用の際の注意点を知る。
「27コンピュータウイルスに注意」

「図35 27コンピュータウイルスに注意」

ウイルスについて知識を身に付け、どのような被害があるかを知る。被害にあわないための方策を知る。ワクチンソフトの利用、ワクチンソフトは最新データでのチェックの重要性を知る。
「28他人になりすまして」

「図36 28他人になりすまして」

パスワードのはたらきとその管理の重要性を知る。パスワードのつけ方を考える。
「29クレジットカードの取扱いは慎重に」

「図37 29クレジットカードの取扱いは慎重に」

カード利用の長所・短所を知り、インターネット上の悪徳商法を知る。
カードの不正利用を防ぐ方法、不正利用された場合の対応を知る。
「30ネットショッピングの活用」

「図38 30ネットショッピングの活用」

「29クレジットカードの取扱いは慎重に」とあわせて、ネットショッピングの便利さや注意点を知る。
「31雲隠れに注意」

「図39 31雲隠れに注意」

ネット商取引の問題点を知り、個人売買サイト利用時の注意点を考える。
「32個人輸入は慎重に」

「図40 32個人輸入は慎重に」

海外サイトからの商品購入方法や注意点を知る。輸入できない商品があることを知る。
「33発注ミスに注意」

「図41 33発注ミスに注意」

ネットショッピングを行う場合の注意点を知る。
「34ネットオークションの賢い利用方法」

「図42 34ネットオークションの賢い利用方法」

オークションサイトの有効活用について知り、その利用にあたっての注意点を知る。信頼できる相手か判断できる知識や参加する場合の注意点を知る。
 ビットキャッシュカード、ウエブマネーなどネット上で使用できるカードの種類を知る。
7.2 電脳商店街(インターネット・ショッピング体験教材ソフトウェア)

 どの店舗に、どのような問題点があるのか、実際に発生している事例を参考にした擬似体験ショッピングサイトを用意し、生徒が電子ショッピングの体験をとおして、気を付けること、被害に遭った場合の対処方法を学習することを目的とした教材である。ショッピングの後の解説画面ではそれぞれの、問題点の解説や対処方法を説明する。
 ショッピング操作を省略して、どのような問題があるか解説とイラストで学習するツアー画面も作成した。

(1)電脳商店街入口
 次ぎのショッピングサイトの入り口と電脳商店街ツアーボタンがある。
 ○水星電脳商店
 ○金星百貨店
 ○火星オンラインショップ
 ○木星商店
 ○土星ネットウオーク商店
 ○天王星オンライン商店
 ○海王星サイバーショップ
 ○冥王星ネット通販

 
  図43電脳商店街入口

 それぞれの店舗の概要は以下のとおり。
(1)水星電脳商店
  代金を受け取って、雲隠れということがある。表示項目の確認、前払い(銀行振込/郵便振替)や代金引換(郵便局/宅配便)などは信用できる店の場合にのみ利用することや、被害にあった場合の対処方法を知る。
 この店舗は商品が届かず、住所、電話番号などが表示されていない。

 
  図44水星電脳商店画面

(2)金星百貨店
 表示項目の確認、前払い(銀行振込/郵便振替)や代金引換(郵便局/宅配便)などは信用できる店で利用することや、偽ブランドなどの被害にあった場合の対処方法を知る。
 この店舗は届いたバッグが直ぐに壊れ、住所、電話番号などが表示されていない。

 
  図45金星百貨店画面

(3)火星オンラインショップ
配達中の破損や、最初から壊れている商品を売る店も考えられるので、表示項目、支払い方法、返品条件などの確認をとおして対処方法を知る。
 支払い方法が少なく、多少問題ある店舗。
 返品条件で初期不良は修理・交換できると表示している。
この店舗は壊れたパソコンが届く。返品条件を確認することや対処方法を学習する。

 
  図46火星オンラインショップ画面

(4)木星商店
 注文時の入力ミスや業者のミスで、届いた数量が発注者の考えていたのと違っているケースがある。注文画面のハードコピーを残しておくことや、返品についての契約内容を確認することを知る。
 この店舗の注文画面では、プログラムで故意に注文数量を変えて表示する。生徒がそれに気付いて修正した場合、商品到着画面では生徒におほめの絵が表示され、気付かない場合、沢山の商品が届く。
 この店舗ではお客の注文ミスによる返品は受け付けないことを表示している。

 入力ミスを気が付かない場合
 
  図47木星商店画面−1

入力ミスに気が付いた場合
 
  図48木星商店画面−2

(5)土星ネットウオーク商店
 遅滞無く納品できない場合、メールなどでそのことを連絡してくれる丁寧な業者の方が問題の発生は少ないことを知る。
 業者から納期遅れのメールが届く。
 問題ある店舗。返品条件が不備(手続き、返品費用、返品の制限や条件が明記されていない)

 
  図49土星ネットウオーク商店画面

(6)天王星オンライン商店
 信頼のできる業者の選び方を知る。また、電子ショッピングの便利さを知る。
 注文した商品は無事届く。
 信頼できる店舗であり、返品条件や納品条件が詳細に明記されている。
 電子ショッピングの便利さや楽しさを学習する。

 
  図50天王星オンライン商店画面

(7)海王星サイバーショップ
 商品の延着に対しての対応方法を知る。
 4週間たって注文してあったパソコンが届くが、返品条件の表示が無い。

 
 図51海王星サイバーショップ画面

(8)冥王星ネット通販
 消費者の誤解を招くような画面で注文をとるような店があることを知る。
 この店舗はプレゼントが届いたと思って喜んで商品を明けたら一緒に請求書が入っていた。

 
 図52冥王星ネット通販画面

●目次に戻る ●前の章に戻る ●次の章に進む