「ネット社会の歩き方:レッスンキット」 実践研究報告書
9. まとめ
 実践授業内容の報告と留意点、課題を整理し、教育的先進性の観点から実践研究の成果をまとめる。

9.1 実践授業報告
 次ぎの学校において実践授業を実施した。
 ○山梨大学教育人間科学部附属小学校
 ○松坂市立中部中部中学校
 ○玉川学園高等部
 ○大津市立瀬田小学校
 ○清泉女学院中学高等学校

(1)山梨大学教育人間科学部附属小学校
a.授業内容
 授業を実施した学年は4,6年、期間は平成14年1月15日〜24日、一斉授業5時間、個別授業5時間合計10時間行った。授業のねらいとしては、「インターネットを利用した情報検索の注意点を知る」「インターネットを利用した情報発信の注意点を知る」「インターネットを利用したコミュニケーションの注意点を知る」の3点であり、その授業の中で学習ユニットを利用した学習を実施した。
 一斉授業では、「02 Webサイトの情報を活用しよう」「03 こんなWebサイトに気をつけて」「24 チャットで個人情報は言わない」「25 チャットの危険性」で用いた。個別学習では殆どの学習ユニットを子どもたちが分担して学習した。
 教師の立場での評価アンケートがあり、教材ソフトウェアやカリキュラムをその項目に従って評価してみると以下の様になった。
 指導する教師にとって、有効な教材、使いやすい教材であり、それは、学習する内容(問題場面に出くわすというより、知識として身につけさせたい内容)として有効。
 活用する児童生徒にとっても有効な教材、使いやすい教材、内容がわかりやすい。
 学習ユニットの見せ方の評価は一斉学習用は途中で終わっているので、その後を考えることができるのがよい。個別学習用は最後の説明画面での字数が多いと読まない子もいる。
 プレゼンテーション資料は概略を知るのに役立つ。ワークシートは記入が多いと時間がかかるが、学習の振りかえりには有効。

b.まとめ
 小学校4年生2クラスと6年生3クラス合計186名が学習ユニットを活用した授業にそれぞれ2回ずつ取り組んだ。4年生はこれまで行ってきた外部の人々とのメール交換やwebページに公開してきた内容から「個人情報を公開する危険性」について考える学習をまず1時間行った。その際、一斉学習用の学習ユニット「24 チャットで個人情報を言わない」のアニメーションをいっしょに見た後、その後のアニメーションの展開を予想させ、どうしてそのような危険性が予想されるのか、見たアニメーションに潜んでいた「個人情報を公開していた場面や登場人物の気持ちを考える学習」を行った。6年生は一斉学習用の学習ユニット「02 webサイトの情報を活用しよう」と「03 こんなwebサイトに気をつけて」を使って、検索エンジンの使い方やトラップサイトの危険性を考えていった。

図53 山梨大学教育人間科学部付属小学校
どちらの学年も一斉学習後、個別学習用の学習ユニットでさらに1時間学習を続けた。子供たちは個別学習用の学習ユニットでは、解説画面まで食い入るように読んでいた。
指導にあたった教師(合計5名)も、事前学習会を開いて学習ユニットの内容を確認した上で授業に臨んだ。「こんな危険性もあるのか、こんな使い方もあるのか」と、教える前にこれまで知らなかったことを勉強できたと感嘆していた。また一斉学習用は、ストーリーの途中で考えさせるようになっており、その後の展開を予想するいろいろな意見が出て、子供たちが考えを深めることができた。


(2)松坂市立中部中部中学校
a.授業内容
 2年生合計5時間の一斉授業において、インターネットを利用した情報発信とコミュニケーションの注意点を学習する時間のなかで、学習ユニット「06 ネットで悪口が罪になる」「07 おもしろ半分では無責任」を利用した授業を次の様に行った。
(導入)
 ・教室内ネットワーク上の掲示板の使い方を説明
 ・掲示板に書き込みをさせる
 ・しばらく掲示板上で会話をさせる。
(展開)
 ・掲示板にふざけた内容や悪口が書き込まれたら、それを取り上げ、これについて、どう思うか質問する。
 ・学習ユニットを提示する。
 ・教室内ネットワークとインターネットとの与える影響の大きさの違いについて考えさせる。
(まとめ)
 ・ネット上への公開は大きな責任がともなうことを確認する。
  (逮捕されたり、裁判に発展した例を示す)
 この問題を自分の問題として考えさせるために、最初に掲示板を使って会話をさせた。友達どうしの気軽さもあって、予想通り友達の悪口をふざけて書く生徒が出てきた。この問題を考えるポイントの一つは公開範囲とそれによる影響の大きさであるため、この授業展開と学習ユニットで、教室内でのいたずらとは次元が違うことを理解させることをねらいとした。
 教師の立場での評価アンケートがあり、その項目に従って教材ソフトウェアやカリキュラムを評価してみると以下の様になった。
 指導する教師にとってアニメーションで生徒も理解しやすいく、有効な教材。学習ユニットを途中で止めて、質問をなげかけるなど、一斉授業にも対応できる使いやすい教材。活用する児童生徒にとって、生徒の日常生活に即したストーリーのため身近な問題として考えやすく有効で使いやすい教材。アニメーションでしたしみやすく、内容がわかりやすい。

b.まとめ
 先ず、電子掲示板に自由に書きこみをさせて、その後、発言の中にふざけた内容や悪口が書き込まれているか、皆で見ながら、どう思ったか発言させた。その後、学習ユニットを見せた。アニメーションのため学習テーマに対する興味・関心も高まり、生徒の日常生活に即したストーリーのため身近な問題として考えられた。学校内ネットワーク内とインターネットの影響の大きさの違いについて考えさせ、教室内でのいたずらとは次元が違うことを理解させることができた。

(3)玉川学園高等部
a.授業内容
 2年生2クラス69名、1年生1クラス37名で「インターネットを利用した情報検索の注意点を知る」「インターネットを利用した情報発信の注意点を知る」「インターネットを利用したコミュニケーションの注意点を知る」「インターネットを利用した取引(契約やネットショッピング)についての注意点を知る」「携帯電話利用の注意点を知る」を授業のねらいとして、先ず学習ユニット「01 無料ダウンロードは慎重に」「18 マルチ商法に注意」「22 ネット上のあぶない出会い」「29 クレジットカードの取扱いは慎重に」「30 ネットショッピングの活用」を用いて個別学習を実施し、ワークシート記入後、教師が理解状況を確認した。その後、一斉学習で疑問個所の内容を確認、理解を深めた。
 教師の立場での評価アンケートがあり、教材ソフトウェアやカリキュラムをその項目に従って評価してみると以下の様になった。
 指導する教師にとって、有効な教材。使いやすい教材。扱うテーマ数に満足。
 活用する児童生徒にとって、有効な教材。使いやすい教材。内容自体は理解できるが、解説にやや難しい用語表現があり、詳しい解説が必要であり、わかりにくい部分があった。特に「01 無料ダウンロードは慎重に」と「18 マルチ商法に注意」。
 指導事例については、「01 無料ダウンロードは慎重に」の海外接続のしくみを理解することは、難しい。特に、海外との取引の場合の治外法権等は、日常生活では体験しにくいことなので、被害にあっても消費者側から何もできないことが、高校生には、納得できないようであった。 
 「18 マルチ商法に注意」は知識として理解できたようだ。実際に被害にあっている生徒もいたので体験談がいっそう役に立った。「22 ネット上のあぶない出会い系」は身近な問題であり、非常に興味を覚えたようであった。「29 クレジットカードの取扱いは慎重に」「30 ネットショッピングの活用」はショッピングより、オークション等に参加している生徒が多い、そのため、用語の知識理解に、個人差が目立った。
 ワークシートについては、生徒個人の学習理解の程度を教師が理解するために、有効に利用できたと思う。
 電脳商店街(ショッピング体験)については、ネットショッピングを体験したことがない生徒でも、楽しく学習することができた。しかし、それぞれの商店について、どこが悪いのかについて完全に理解できている生徒は少なかった。授業時間の関係でゆっくり時間が取れなかったが、多くの学習時間がかけられる場合には、深い学習が可能であると思う。
b.まとめ
<有効性について>
 「ネット社会を安全に、楽しく、賢くすごす」教材として、有効活用できる内容であると思う。今後、より多くの教師(インターネットを利用したことが少ない教師等)が利用するためには、
 ●学習指導案、学習事例集の充実
 ●ワ−クシ−ト項目の精査
 ●(教材内で利用した専門)用語集の作成(それぞれの専門用語にリンクをはると個人学習が行いやすい)
<学習テーマの範囲、深さについて>
「01 無料ダウンロードは慎重に」
 自宅でインターネットを利用していない生徒には、内容が理解しにくかった。
「18 マルチ商法に注意」
 知識としては理解できたと思う。携帯電話を利用して、生徒間にこのようなメールが、行き交っていることを、教師側が教えられた。
「22 ネット上のあぶない出会い系」
 身近な内容であったため、理解しやすかった
「29 クレジットカードの取扱いは慎重に」
 クレジットカードを持てる年齢ではないので、クレジットカードのしくみ理解で時間を費やしてしまった。さらに、カード番号を盗むという個人の倫理的な内容と個人情報を守るという二つのテーマが重なっていたため、生徒の学習の興味や内容理解が、生徒個人ごとに、別れてしまったようであった。
「30 ネットショッピングの活用」
暗号化のしくみを理解させることが、難しかった。
<生徒の興味関心について>
 生徒が学習テーマについて、興味を持つことができたと思う。
<生徒の理解について>
 授業後、学習テーマについて、理解が深まったか、行動できるようになったかなど理解は深まったと思うが、行動に関しては不明
<ソフトウェアの課題について>
「01 無料ダウンロードは慎重に」のユニットで、最後まで学習が進んで、左矢印三角ボタンを押すと、PC画面が固まってしまうトラブルが多数発生した。こちらのPCやネットワークが原因なのかもしれないが詳細は不明。

(4)大津市立瀬田小学校
a.授業内容
  実施日時:平成14年1月28日(金) 5時間目から1単位時間
  実施場所:コミュニケーションセンター(コンピュータ室)
  学年、クラス、生徒数:5年1組 38名
  実施内容:一斉学習形式で 課題提示型(解説画面無し)学習ユニットで授業。
       プレゼンテーション資料による解説と授業後ワークシートへの記入。
  使用した学習ユニット名称:「04 大人向けの情報に注意」、「05 危険な        情報に注意」、「15 コピーしていいの」
b.評価内容
○有効性について
 このプロジェクトの狙いである「ネット社会を安全に、楽しく、賢くすごす」教材として、有効活用できる内容か、そして、どのように利用すれば役立つかなど授業をとおして評価した。
 授業の一要素として有効に活用できる教材であると思う。
 今回は、課題提示型(一斉授業用)の教材を用いて、クラス全体の話し合いを進めていく中で授業を行った。小学校の場合、このように全体で話し合う事が非常に大切であると思うので、このような課題提示型の教材はありがたいと思う。
○学習テーマの範囲、深さについて
 使用してみて、説明している範囲や深さは適当であったかを評価した。
 ネットワークに精通している児童にとっては問題ないが、あまりネットワークと関わりを持っていない児童には状況の理解が少し難しかったかもしれない。
○生徒の興味関心について
 生徒が学習テーマについて、興味を持ったかを評価した。
 すべての教材に関心を持って取り組んだ。対象にした教材以外のアニメも見てみたいという声が多くあった。
○生徒の理解について
 授業後、学習テーマについて、理解が深まったか、行動できるようになったかなどを評価した。
 学習テーマに関して理解が深まり、正しい判断ができるようになったと思える。
○ソフトウェアの課題について
 操作性や文章のミスなど、特に問題はなく、教材を閲覧することができた。

(5)清泉女学院中学高等学校
a.実施概要
  実施日時:2002年1月21日(月)と1月28日(月)
       7時間目「インターネットゼミ」
  実施場所:コンピュータ室
  学年、クラス、生徒数:高校1年17名 希望者のクラス
b.授業の進め方
 <1月21日(月)>
 まず「一斉授業方式」で「09 確かな情報を発信しよう」をプロジェクタに映し出すとともに手元のパソコンでもそれを見ながら、教師が口頭で説明をする。ところどころ発問をして、生徒の答えを引き出しながら少しずつ見ていった。
 それを見終わってから、各自のパソコンからアンケートを記入した。
 つぎに、「22 ネット上のあぶない出会い」を開き、同じように簡単に説明を付けながら見て、アンケートに記入した。
 その後はさらに興味のあるユニットを開き、自分で見ながら感想を書き込むようにすすめた。
 
 <1月28日(月)>
 2回目の授業では「電脳商店街」を訪れた。
 まず、「木星商店」に行くようにすすめ、実際に最後まで見ていくと、間違ってたくさんのものが送られてきてしまったけれど、何がいけなかったのかの原因を探すようにした。
 それが終わったら、他の店も訪ねていくように個別学習の形で進め、それが終わったらアンケートを記入するようにすすめた。

c.報告内容
○有効性について
 高校1年生には、アニメが小学生向けかなという感じで少し幼すぎた感じがした。でも結構楽しんでみていた。中には「フラッシュ」のアニメに興味を持つ生徒がいて、こういうのを作ってみたいという生徒もでてきたりした。
 学習したテーマが「分かり切ったこと」という感じを持っているせいか、内容的に新しいことを教わったという感じはなかったが、こういうアニメ風のものを通じてネチケットを学ぶのは結構有効だと思う。生徒も「改めてしてはいけないこと」を確認したようだ。
○学習テーマの範囲、深さについて
 「09 確かな情報を発信しよう」というテーマで、では「確かな情報だったらこのように発信していいのだろうか」、「営業妨害になることはみな発信してはいけないのだろうか」「肯定的評価ならいいのだろうか?」などのテーマで実際のサイトを見ながら、さらに考えさせていけたらと思った。時間があったら「告発サイト」や「グルメ情報のサイト」の分析もしてみるのも有効であると思う。
 「22 ネット上のあぶない出会い」というところも結構興味を持っています。実際にそういうところを訪ねてみたいという欲求が今の高校生にも結構あるようだ。ただ実際に会いに行くというのはアブナイというのを認識しています。ここもさらにつっこんでいけるところである。「なぜ出会い系サイトを訪れたかったのか」「会わなければいいのか」「匿名であればいいのか」などの発問をかわしながら、生徒とともに考えられるようになれば、おもしろい授業になると思う。
 「電脳商店街」の仕掛けも結構興味を持っていたようです。こちらの方が生徒と対話を作り出すという展開は作りづらく、より個別学習的になると思う。
○生徒の興味関心について
 生徒も結構興味を持ったようだ。何か新しいことを学ぶということはなかったが、こういうようにネット上でシミュレーションをして仮想的に失敗の体験をするという構造には興味を持ったようです。
 「なぜこうなったのか?」「ではどうすればよかったのか?」などこのアニメを素材にして生徒との会話ができるというのがこの教材の最大のメリットであるような気がする。
 これを素材にして、クラス内のネットワークの掲示板やチャットのシステムを使いながら、ディスカッションをするというのが良いと考える。
○生徒の理解について
 生徒の理解は既にふれたように新しいことを学ぶという点では少なかったが、このようなネット上で仮想体験をして失敗するということには興味を持ったようだ。仮想体験を通じて、改めて確認をするという声があった。
 個別学習的にひとりで体験するだけでも結構理解が深まると思う。学校での学習の後、家で再びこのサイトを訪れて、別なところを見るというところまでいけたら、良かったが、残念ながらそこまでいった生徒はいなかったようである。
○ソフトウェアの課題について
 特に問題は無く、よくできていると思う。

9.2 教師のアンケート結果集計
  実践授業を行ったあと、アンケートを回収し、集計を行った。
(1)アンケート集計結果
  それぞれのアンケート項目にチェック(そう思った)件数と割合を示す。
a.有効性について
  教師にとって有効な教材か? 8/8(100%)
  師にとって使いやすい教材か? 6/8(75%)
  教師にとって使いにくい教材か? 0/8(0%)
  生徒にとって有効な教材か?  8/8(100%)
  生徒にとって使いやすい教材か?  6/8(75%)
  生徒にとって使いにくい教材か? 0/8(0%)
b.学習テーマの範囲、深さについて
  教師にとって扱うテーマ数に満足か? 4/8(50%)
  教師にとって扱うテーマ数が少ないか?  0/8(0%)
  生徒にとって扱うテーマ数が少ないか?   0/8(0%)
c.生徒の理解について
  教師にとってわかりにくい教材か?   0/8(0%)
  生徒にとって内容がわかりやすいか? 4/8(50%)
  生徒にとってわかりにくいか?  1/8(13%)
  生徒にとって内容がわかりにくいか? 1/8(13%)
d.ソフトウェアの課題について
  生徒にとって表示が速いか? 1/8(13%)
  生徒にとって表示が遅いか? 0/8(0%)

(2)主な意見・感想
a.有効性について
○インターネットを使う上での注意点、モラルやマナーについて、具体例を示しながら学習を進めることができました。途中、考えさせる場面が用意されており、子どもと共に進められました。(小学校) 
○ユニット02、34は学習する内容(問題場面に出くわすというより、知識として身につけさせたい内容)として有効。(小学校) 
○一斉学習用は途中で終わっているので、その後を考えることができるのがよい。個別学習用は最後の説明画面での字数が多いと読まない子もいる。(小学校)
○今回は、課題提示型(一斉授業用)の教材を用いて、クラス全体の話し合いを進めていく中で授業を行った。小学校の場合、このように全体で話し合う事が非常に大切であると思うので、このような課題提示型の教材はありがたいと思う。(小学校)
○学習ユニットを途中で止めて、質問をなげかけるなど、一斉授業にも対応できる。(小学校)
○ネット社会の問題点をよくとらえていて有効かつ使いやすい教材である。(小学校)
○生徒の日常生活に即したストーリーのため身近な問題として考えやすい。(中学校)
○でているテーマが「分かり切ったこと」という感じを持っているせいか、内容的に新しいことを教わったという感じはなかったのですが、こういうアニメ風のものを通じてネチケットを学ぶのは結構有効だと思います。生徒も「改めてしてはいけないこと」を確認したようです。(高等学校)

b.わかりやすさについて
○まず、ユニット06と24を一斉学習の教材として使いました。メールの使い方、チャットの危険性がわかりやすい具体例であったと思います。(小学校)
○アニメ化されているので、子どもにも理解しやすい。(小学校)
○アニメーションで生徒も理解しやすい。(中学校)
○内容自体は理解できるが、解説にやや難しい用語表現があり、詳しい解説が必要であった。特に、学習ユニット番号01、18(高等学校)
○ただ一点・・・ユニット06の場面で同じクラスのカオルさんとクミコさんが24の場面ではお互い顔も(?)住所も知らない・・・と言う設定になっています。どちらかの場面で人物の名前を変えると、無用な混乱が避けられると思います。(小学校)
○4年生では、解説の部分が少しむずかしいのか、読むのがめんどうなのか、読まずにおわってしまう子もいました。小学生向けの解説は、もう少しやさしい表現でもよいかなと思いました。(小学校)
○学習テーマに関して理解が深まり、正しい判断ができるようになったと思える。(小学校)
○考えさせる場があるからこそ、わかりやすい教材となる。たいへんよかった。(小学校)
○小学校4年生が使うことを考えると、音声が出たほうが良い。(漢字が読めない子がいる。)(小学校) 

c.範囲、深さについて
○ネットワークに精通している児童にとっては問題ないが、あまりネットワークと関わりを持っていない児童には状況の理解が少し難しかったかもしれない。(小学校)
○「09 確かな情報を発信しよう」というテーマだったら、では「確かな情報だったらこのように発信していいのだろうか」、「営業妨害になることはみな発信してはいけないのだろうか」「肯定的評価ならいいのだろうか?」などのテーマで実際のサイトを見ながら、さらに考えさせていけたらと思いました。時間があったら「告発サイト」や「グルメ情報のサイト」の分析もしてみたいと思いました。(高等学校)

d.興味関心について
○ユニット22は身近な問題であり、非常に興味を覚えたようであった。(高等学校)
○電脳商店街(ショッピング体験)について、ネットショッピングを体験したことがない生徒でも、楽しく学習することができた。
 しかし、それぞれの商店について、どこが悪いのかについて完全に理解できている生徒は少なかった。(高等学校)
○子どもたちは、とても興味深く学習していました。(小学校)
○すべての教材に関心を持って取り組んだ。対象にした教材以外のアニメも見てみたいという声が多くあった。(小学校)
○アニメーションでしたしみやすい。(中学校)
○「22 ネット上のあぶない出会い」というところも結構興味を持っています。実際にそういうところを訪ねてみたいという欲求が今の高校生にも結構あるようですね。ただ実際に会いに行くというのはアブナイというのを認識しています。ここもさらにつっこんでいけるところでした。「なぜ出会い系サイトを訪れたかったのか」「会わなければいいのか」「匿名であればいいのか」などの発問をかわしながら、生徒とともに考えられるようになれば、おもしろい授業になると思います。(高等学校)
○生徒も結構興味を持ってくれたようです。                                 
 何か新しいことを学ぶということはなかったのですが、こういうようにネット上でシミュレーションをして仮想的に失敗の体験をするという構造には興味を持ったようです。そこはさすがに高校生だなと思いました。 
 「なぜこうなったのか?」「ではどうすればよかったのか?」などこのアニメを素材にして生徒との会話ができるというのがこの教材の最大のメリットであるような気がします。これを素材にして、クラス内のネットワークの掲示板やチャットのシステムを使いながら、ディスカッションをするというのがいいのかもしれません。コンピューター教室で、口頭で話し合うというのは生徒には結構難しいのですね。だからネット上で話し合うというのと結びつけて授業の展開ができたら、おもしろい授業展開になると思います。(高等学校)

e.指導事例について
○ユニッ01トの海外接続のしくみを理解することは、難しい。特に、異なる国の場合の治外法権等は、日常生活では体験しくくいことなので、被害にあっても消費者側から何もできないことが、高校生には、納得できないようであった。
 ユニット18は知識として理解できたようだ、実際に被害にあっている生徒もいたので体験談がいっそう役に立った。
 ユニット29.30はショッピングより、オークション等に参加している生徒が多い、そのため、用語の知識理解に、個人差が目立った。(高等学校)

f.ワークシートについて
○生徒個人の学習理解の程度を教師が理解するために、有効に利用できたと思う。(高等学校)

g.プレゼンテーション資料について
○ユニット06、24共に大変使いやすい(わかりやすい)教材でした。言葉の吹き出しや場面の変わり方なども、わかりやすく、全体指導の後、子どもたちも個別に学習を進めることができました。(小学校)
○概略を知るのに役立つ。(小学校)

h.全体について
○全体的に、個人学習でも、一斉学習でも、楽しく学習できると思う。しかし、現在の高校生のネット活用状況は、知識・技術の個人差が大きく、深い理解ができている生徒と言葉でつまずいてしまう生徒のばらつきが大きかった。(特に、01.海外接続、30.ネットショッピング等)
 今後の課題として、教材用の用語辞典があると便利であると思う。
 また、リンク集も生徒の学習のためには、もう少し数を絞った方が良かったかもしれない。用語がわからない生徒にとって、微妙な言い回しの違いは混乱を生むようだ。(高等学校)
○学習ユニットが情報検索、発信、コミュニケーション、ショッピング・・・と分野(内容)別に分かれており、さらにそれぞれの分野が、具体的な場面と共に細分化されているので、テーマを絞って学習をすることができました。
 それぞれの段階(リテラシー)の子どもたちに、対応できるよう、個別に学習を進められるよう工夫されていることも使いやすさの一つでありました。
 指導する上で一番大切な、しかも一番難しいモラルやマナーについて学習するのに、大変優れた教材です(しかも扱いやすい)ので、これからも活用させていただきたいと思います。(小学校) 
○ボタン表示や、操作表示が見やすい。(小学校)
○これからは個人でパソコンを使用ことが多くなり、一方的に情報が送られてくることもあるので、このような学習はますます重要性を増してくると思います。子どもだけでなく、教師や大人もしっかり学習することも大切でしょう。(小学校)

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