マレーシア

面積 約33万平方Km(日本は約38万平方Km)
人口 約2100万人(日本は約1億3000万人)
人口密度 61人(日本は331人)
地理・気候・風土
-マレーシアと東京の降水量と平均気温-

 マレーシアは東南アジアの中央部に位置する熱帯の国で,南シナ海をはさんでマレー半島の南半分(半島マレーシア)とボルネオ島北西海岸地域(サバ州,サラワク州)からなる。国土は日本よりややせまく,国土の約4/5は森林,湿地帯である。
 半島マレーシアでは,中央部を南北に山脈が走っており,海岸から山岳部までの地域は,ゴム園,パームヤシ園が広がっている。水田は主に半島の西海岸北部,東海岸北部に多く,西海岸中央部は錫鉱の産地である。サバ,サラワク州は,全体的に標高1,000m程度の山脈が交差し,その間を多くの川が流れる複雑な地形をなしている。
 気候は海に面しているため,アジア季節風の影響を受けて高温多湿で,降雨量の多い北東モンスーン期と比較的少ない南西モンスーン期がある。
国のなりたち
 マレーシアの歴史は,中部スマトラから入植した人々が,15世紀初めマラッカ侯国を樹立したことによりはじまるといわれている。
 マラッカ侯国は,1511年ポルトガルの支配下におかれたが,その後,オランダやブギス(中部スマトラ人)の侵攻により滅亡。18世紀後半にはイギリスがペナン等に直轄植民地を建設して次第に勢力を拡大し,1919年に半島支配を確立した。
 第二次大戦時に日本軍による占領をへて,半島はふたたびイギリスの支配下となったが,57年にマラヤ連邦として独立を達成した。63年にはシンガポール,サバ,サラワクがくわわりマレーシアが発足,その2年後にシンガポールが分離独立した。
政治・経済
 マレーシアは英連邦の一員で,元首である国王は9つの州のサルタン中から5年ごとに互選される。国王は下院で多数の信任をえた議員を首相に任命し,実際の行政はこの首相を首班とする内閣がおこなっている。
 外交面では,ASEAN協力の強化,非同盟中立,イスラム諸国との連帯,自由主義諸国との協力等を基本方針として,とくに,ASEANを中心とした地域協力に力をそそいでいる。
 マレーシアは典型的な一次産品輸出国で,その主要品目である天然ゴム,パーム油の生産量は世界の1/2をしめており,錫の生産量も長く世界1位であったが,91年以降第4位となった。近年,石油の生産量も増加傾向にある。しかし,一次産品にたよる経済は,世界の景気の動向に大きく影響されるため,政府はその経済構造を工業製品重視の輸出構造にかえている。またマレーシアは複合民族国家で地域間,人種間に経済的格差が生じているため,新経済政策を打ちだして,民族の真の統合と経済の総合的な発展にとりくんでいる。
社会と文化
 多様な民族からなる国で,それぞれの民族によって文化や生活様式がことなっている。イスラム教中心のマレーシア人のマレー文化,仏教徒の多い中国人の中国文化,ヒンズー教中心のインド人のヒンズー文化が併存し,お正月が年に4回あるといわれるほどである。また政府は,マレー系国民を優遇するブミプトラ(土地っ子)政策により,中国系,インド系との経済格差是正をはかっている。
日本との関係
 日本は,マレーシアの独立以来友好協力関係にある。貿易,投資,経済協力では最大の相手国で,経済・社会開発に積極的な協力をしている。要人の往来等人的交流も活発である。マハティール首相は日本の近代化に学ぶ「東方政策(ルックイースト)」を提唱している。