●面積 約967万平方Km(日本は約38万平方Km)
●人口 約2億7千万人(日本は約1億3000万人)
●人口密度 28人(日本は331人)
●地理・気候・風土
-アメリカ合衆国と東京の降水量と平均気温-
太平洋と大西洋に挟まれ,わが国の約25倍の国土面積をもつ米国は,アラスカ,ハワイをふくむ50の州と,首都としての機能をもつワシントンD.C.(コロンビア特別区)からなり,その他グアムなどの属領,プエルトリコや北マリアナ諸島などの連合地域をもっている。
大陸本土は西部のロッキー山脈と南東部のアパラチア山脈にはさまれて中央部は大平原と砂漠,土地の平均高度は760mである。太平洋岸から大西洋岸までは約4,000km,カナダ国境からメキシコ湾岸までは約2,000kmである。
気候は広大な国土のためさまざまだが,西部の海岸地帯は海洋性気候で冬と夏の温度差が少なく,内陸部では大陸性気候となり寒暖の差がはげしい。一般に北部の冷帯湿潤から南部のフロリダやカリフォルニアなどの熱帯気候まで変化は大きい。
●国のなリたち
アメリカ大陸にはアメリカ・インディアンが先住していたが,1492年コロンブスが到着,1607年には英国が最初の植民地をバージニアに建設したことでアメリカの歴史ははじまった。以来フランス,オランダなどもあいついで各地に植民地を建設していったが,18世紀なかば,フランス人・インディアン連合軍と英国軍との間に戦いが起こり,フランス人はその植民地をうしなった。その後英国による重税,自治の抑制に対し立ち上がった各植民地代表は1774年9月フィラデルフィアで第1回大陸会議を開いて結集,翌年英国との武力闘争,独立戦争に入った。植民地側はこの結果1776年7月4日東部13州の独立を宣言,1783年に正式に独立をかちとった。
独立した東部13州は1787年合衆国憲法を制定,初代ジョージ・ワシントン大統領を選出した。南北戦争(1861〜65年)をへて連邦制と中央集権制を確立,1880年代には農業国から工業国への転換がおこなわれ,典型的な資本主義国家へと発展,領土も拡張して今日の国家を形成した。
●政治・経済
米国は第一次世界大戦への参加により生産力拡大によって世界の強国の地位を確立,第二次世界大戦後はいっそう本格的に国際政治に関与して,世界の超大国としてあらゆる国際関係が米国をぬきにしては論ぜられない時代となり,今日に至っている。
米国の政治機構は,各州がそれぞれ立法・司法・行政の諸権限を有し,連邦政府は国家財政,外交,国防といった州政府だけでは実施できない事項についてのみ統治権を行使するというものである。
米国経済は全般に好調を持続しており,米国民の生活水準も生産性も世界で最も高い水準にあり,大量生産・大量消費による「米国式生活様式」が確立されている。
●社会と文化
多民族国家であり,「人種のるつぼ」といわれている。時として人種差別などの不協和音も生まれるが,個人の自由を尊重する国として開放的で多様性にみちた社会をつくっている。また米国においてはマスメディアは「第4番目の権力」といわれるほど強大な影響力をもっているという特徴をあげることができよう。
●日本との関係
第二次世界大戦後半世紀,この50年間は,日米両国は政治,経済,文化のあらゆる分野にわたってまさに「同盟関係」と評されるほど緊密に連携してきた。近年それが「経済偏重」に片寄りをみせたと指摘されるようになり,事実さまざまなきしみを生じている。両国は今,新しいパートナーシップに向けて転換の機に立っている。
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