●面積 約774万平方Km(日本は約38万平方Km)
●人口 約1800万人(日本は約1億3000万人)
●人口密度 2人(日本は331人)
●地理・気候・風土
-オーストラリアと東京の降水量と平均気温-
オーストラリアは大陸とその周辺の島々からなり総面積はアラスカ,ハワイをのぞいたアメリカ合衆国とほぼ同じである。大陸は東海岸にそって海抜千数百メートルの大分水嶺が走っているほかは,きわめて平坦な地形となっており,平均海抜は世界の平均700mに対し300mである。内陸部は,ほとんど乾燥地帯のため,人口の大多数が東部海岸ぞいのシドニー,メルボルンなどの都市およびその近郊に集中している。
広大な国土のため,気候も熱帯性から温帯性におよんでおり,熱帯地帯では雨季と乾季が,温帯地域では日本の春夏秋冬と反対の四季がある。
●国のなリたち
オーストラリアは1770年に探検家ジェームス・クックがヨーク岬沖の島に英国国旗をかかげて領有を主張した後,英国領土として発展した。この地域にはクックが訪れる以前にもヨーロッパ人が渡来しており,イギリスも植民地化を急がなかった。しかし,アメリカ合衆国が独立した後,1788年からは流刑囚の移住がおこなわれた。その後,各地に入植がおこなわれ,6つの植民地がつくられたが,これらの植民地間に次第に連帯感がめばえ,1901年オーストラリア連邦が結成された。
なお,オーストラリアの独立については,1942年に英国法から独立した立法権能がみとめられたことにより外交権を取得,86年に英国議会が州政府をふくむ全オーストラリアの法的独立を承認したことによりはじめて達成されたとされている。
●政治・経済
英連邦の一員で,英国女王を元首としている。行政府の長は首相で,他の閣僚とともに王権を代行する連邦総督によって任命される。
行政区は6州と1準州,および首都特別地域からなり,各州には連邦行政政府機構とは別に独自の政府がある。植民地時代より各州を単位として発展してきた経緯もあり,現在でも州政府の権限は強く,連邦政府が外交,国防,移民,貿易などの権限をもっているのに対し,州政府は教育,産業開発,環境問題などの広範な権限をもち。連邦に対する独自性が顕著である。なお,立憲君主制から共和制への移行を目指す動きがある。外交では,英国よりむしろ米豪関係の強化をはかるいっぽう,アジア・太平洋地域重視の立場もとり,この地域内における先進国として地域の発展に深い関心を示している。
主要産業は羊毛,小麦,砂糖,食肉,酪農製品などの農牧畜産業,鉄鋼,自動車,食品加工などの製造業と鉱業である。1960年代には各種の鉱物資源が発見され,世界有数の資源国として脚光をあびている。輸出もこれら一次産品が主体である。
●社会と文化
英国系を中心とする欧米系移民により開拓された若い国であるが,広大な国土,明るい気候は陽気な国民性をつちかった。
国民は毎日の生活を楽しむことを信条とし,週末には家族揃ってスポーツを楽しむなど家庭中心の生活をいとなんでいる。スポーツに熱狂し,音楽や演劇に親しむといった具合で,生活自体は地味な印象もあるが,人生をエンジョイするのがうまい。なお,2000年にはシドニーで夏季オリンピック大会が開催された。
●日本との関係
両国の関係は明治初期の日本人移民にはじまり,現在では経済面での相互補完関係を基軸として緊密度をましている。第2次大戦中に日本はオーストラリア本土を直接攻撃したが,今日ではその対日感情は良好で,約2万人が日本語を学んでおり,人口比では世界第3位である。
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