「ネット社会の歩き方:レッスンキット」 実践研究報告書
2.実施スケジュール
 研究テーマにそった教材の開発からその成果を利用した教育実践活動のスケジュールを記す。

2.1  教育実践活動の指針
 本企画の趣旨に関連した研究活動や授業実践を行ってきた小学校、中学校及び高等学校の教師の意見をもとに、スケジュールなどを考慮したうえで、可能な限り反映するようにした。
 それぞれの教材を設計段階、ラフデザイン段階、プロトタイプ段階毎に検討委員会内でWeb公開し、メーリングリストを活用し、意見交換をしながら、重要なテーマ、緊急を要するテーマの教材を作成することを目指した。
 そして、作成した教材の利活用を普及させるため、Webサイトやメディア、各種メーリングリストへ告知、そして本プロジェクト関係者が積極的に普及活動を行うようにした。

2.2  スケジュール
 以下のスケジュールに従って、教材の開発から教育実践活動を行った。

             

(1)計画、準備
a.検討委員会メンバーの決定
平成12年度の検討委員会メンバーに加え、本企画の主旨に関連した研究活動や授業実践を行ってきた小学校、高等学校の教師、および携帯電話に関連したテーマを扱う必要性があると委員から意見が出たことで、携帯電話業者の消費者相談室からアドバイザーを、そして経済産業省消費者相談室からも引き続きアドバイザーとして参加していただき、検討委員会を設置した。
b.開発するソフトウェアの種類を決定
情報モラルやマナー、そして最新のインターネット社会で発生している問題を中心に、あわせてネット対応機器を普段の生活や学校現場で上手に活用する方法などを扱う様に考えた。
 <教材ソフトウェアの種類>
 ○学習ユニット 個別学習用解説画面有り、一斉学習用解説画面無し
 ○電脳商店街 ショッピング体験サイト、ショッピングサイト紹介画面
 <カリキュラムの種類>
 ○指導事例
 ○ワークシート
 ○プレゼンテーション資料
 ○活用事例

(2)教材ソフトウェアの学習テーマの決定
a.学習ユニットの学習テーマ
当初、以下のような学習テーマを設定した
 ○ホームページで情報検索
 ○ホームページで情報発信
 ○電子メールの受信
 ○電子メールの送信
 ○セキュリティ
 ○ネットショッピング
 ○チャットでコミュニケーション
 ○電子掲示板でコミュニケーション
 ○人間関係、心身の健康
 検討委員会での意見、要望、メーリングリストでの意見交換、検討を重ねて以下のように上記項目を整理した。
 ○インターネットで情報検索
  ホームページで情報検索
 ○インターネットで情報発信
  ホームページで情報発信
 ○インターネットでコミュニケーション
  電子メールの受信
  電子メールの送信
  セキュリティ
  チャットでコミュニケーション
  電子掲示板でコミュニケーション
  人間関係、心身の健康
 ○インターネット・ショッピング
  ネットショッピング
b.電脳商店街の学習テーマ
 ○違法商品を販売するショッピングサイトの追加を予定
 検討委員会での意見、要望、メーリングリストでの意見交換、検討を重ねて以下のように決定した。
 ○無料プレゼントで消費者をだますショッピングサイトの追加
  実際に発生している問題事例を調査し、重要性から判断し、この学習テーマのサイトを追加した。
 ○ショッピング操作を省略し、ネットショッピングではどのようなことに注意したら良いか知るためにショッピングサイト毎のダイジェスト版(解説ムービー画面)を作成

(3)カリキュラムの決定
 教師が利用する資料であり、以下の4種類とした。
a.ソフトウェア(教材)毎に授業方法の例を示す学習指導事例
b.ソフトウェア(教材)を使った授業で,教師が説明用に用いるプレゼンテーション資料
c.学習後、児童・生徒が学習成果のまとめとして活用するワークシート

(4)ソフトウェアの作成
a.個別学習用学習ユニット
 解説画面まで含めたFlashアニメーション・ムービーを作成した。
 学習のねらい、ムービープロット案、ムービーシナリオ案、解説内容をそれぞれのユニット毎に検討委員メンバーで作成・検討し、開発グループがその原稿に従い、Flashムービーファイルを作成した。
b.一斉学習用学習ユニット
 一斉学習用学習ユニットのどの画面までを生徒に提示して、一斉学習を進めるか、それぞれのユニット毎に検討委員メンバーで検討し、本番作品を作成した。
c.電脳商店街
 新規ショッピングサイトの学習のねらい、解説内容を検討委員メンバーで作成・検討し、開発グループがその原稿に従い、Flashムービーファイル、及びCGIプログラムを作成した。

(5)カリキュラムの作成
a.指導事例
 学習内容、学習方法に応じた指導事例を検討委員会にて検討し、それぞれの教材毎に作成した。
b.プレゼンテーション資料
 学習ユニット毎に画面の解説や関連資料のURLなどを検討委員メンバーで作成・検討し、開発グループがその原稿に従い、パワーポイントファイルを作成した。
c.ワークシート
 学習ユニット毎に学習のまとめを記入するワークシートを作成し、検討委員メンバーが作成した。
d.操作説明書
 教材を使用するための操作方法説明資料を作成した。
e.教材をWebサイトへ公開
 「ネット社会の歩き方」サイトhttp://www.net-walking.net/ へ登録、及び教材を学校内LAN環境のWebサーバーにインストールする仕組みを作成した。

(6)授業実践
作成した教材、学習指導資料、取扱説明書を用いて実践校で授業を実施し、その報告をまとめた。
 実践授業の成果を検証するため、Webサイトのアンケート画面やアンケート用紙に教師、生徒が記入して、事務局で回収した。

(7)纏め
授業実践成果の検証とまとめを行った。

(8)検討委員会開催
学習テーマや内容、途中での開発成果をWebへ公開し、メーリングリストで意見交換や決定を行った。
 平成13年6月30日、9月1日、12月25日に開催した。

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