棒の長さは,30〜50cmぐらいを目安として,ある程度の大きさがある方がいいでしょう。かげの変化がよくわかります。太さも,φ2〜3cmぐらい,または一辺2〜3cmぐらいが適当でしょう。
そして用意した棒を垂直に立てやすいように,一辺20〜30cmほどの板を台座として用意し,その上に粘土などで固定しておくか,または砂の入ったペットボトルに棒をさして,立てるようにしておきます。
戸外で実際の日かげを調べる活動に入る際,特に気を付けたいことは,調べたい棒のかげが他の物のかげと重ならないような場所を選ぶことです。そのためには,調べたい棒を設置する場所に,他の物のかげが一日を通じて重なってこないことを確認する必要があります。事前にその確認をしておきましょう。また,かげができる場所が平らであることを確認しておきましょう。
かげを調べる棒を設置する前に,方位を確かめておきましょう。棒を設置する場所での方位の確認は,方位磁針を利用すると便利です。
かげを調べやすいように,かげを調べる棒のまわりに,白い画用紙や模造紙等を設置しておきます。画用紙は風などで動かないように,画板に固定したり,裏打ちして地面に釘(またはテープ)で固定するなどしましょう。また,このとき,ポイント3で調べた方位を書き込んでおくと便利です。書き込む方位の文字は,写真でも判別可能な大きさにしておきます。
時刻ごとに次のかげのできる方位とかげの長さを予想して線を記入しておくと,実際との違いを確かめることができ,理解が深まります。その際,実際に観測した線と予想の線の区別がつくように,色を変えておくと,混乱しません。
デジタルカメラで撮影する際,デジタルカメラを固定させて撮影します。そのため,撮影用のデジタルカメラに三脚をあらかじめ取り付けておきます。
かげの変化する様子が撮影画面内に入るように,かげよりも北側の位置で,デジタルカメラと被写体となる棒との距離をあけたり,デジタルカメラを設置する高さを調節したりしましょう。距離や高さの目安は,季節や棒の長さによって変わりますが,約50cmの棒に対し,2〜3mぐらい離れた位置で,高さ1〜1.5mぐらいが適当でしょう。三脚の位置がきまったら,ずれた場合に備えて,三脚の脚の位置に印を付けておきましょう。
グループごとに撮影します。撮影時刻は午前9時頃から午後3時ごろまで,撮影間隔は1時間ごと,を基本 としておきましょう。
シャッターを押す時は,三脚にぶつかって画像がぶれないように注意しましょう。
撮影ごとに,きちんと画像が撮れているかどうか,必ず再生してチェックしておきましょう。
まず,画用紙に直接記録したかげの軌跡をもとにかげの位置の変化と太陽の位置の変化について話し合いを行います。その際,プレゼンテーションソフトとプロジェクター(またはTVモニター) を使って,連続したかげの動きのスライドショーを提示します。こうすると,かげの 動きと太陽の位置の変化との関係について理解を深めることができます。グループごとにデジタルカメラで撮影した画像がある場合は,かげのできる場所や長さの予想と結果の発表会といった授業形態を採用して,かげの画像を提示すると効果的です。
ポイント8で作成したスライドショーのファイルを開き,スライド一覧の表示で印刷をします。時刻ごとに変化する太陽の位置を確認しながら,印刷された画像をノートに貼ったり,カードにしたりして,かげの位置の変化と太陽の位置の変化をまとめましょう。