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コンテンツのアクセシビリティの確保
情報社会において,情報を入手できるかどうかは,多くの人の生活を左右する問題となりつつあります。障害のある人がATとコンピュータを用いてインターネットにアクセスできたとしても,そのコンテンツがわかりやすいものでないと,活用できない場合があります。Webページの画像は,解説文が付けられていない限り,スクリーンリーダは何も読み上げてくれず,全盲の人は理解できないといったことなどが一例です。全盲の人には,画像だけで構成されたWebページは全く理解できないものになりますが,画像にその内容を説明するテキストが貼り付けてあれば,ある程度理解できるWebページとなります。また,ビデオ教材についても,字幕や音声ガイドがない限り,聴覚障害や視覚障害のある人には利用しにくいものです。小・中・高等学校段階の教育用に開発される教材も,アクセシビリティに配慮することで,障害のある児童生徒でも利用できるものになることを理解する必要があります。
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2 障害のある児童生徒のATやITの活用法
障害のある児童生徒がコンピュータなどの機器を利用する場合,その障害の状態によっては,キーボードを押さえられない,画面が見えないなど,操作上の障壁に直面する場合があります。そのために,様々なATが開発され,障害のある人のコンピュータ操作を可能にしています。以下,障害に応じたいくつかのATの例を示します。
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a.標準キーボードの操作ができない場合:
OSには標準で次のような機能が組み込まれています。
ア.キーボードを片手でしか押さえられない場合に,ShiftやCtrlなどのキーをロックする機能
イ.不随意運動があるために,間違ってキーを押してしまうような場合に,キーの入力を有効にする時間を遅らせる機能
また,可動域の狭い人には小型キーボード,大きなキーなら押せる人には大型キーボード(図1)が開発され,四肢まひなど,随意的に動く部位がわずかしかない場合には,画面にキーボード(オンスクリーンキーボードと呼ばれる)を表示して,オンスクリーンキーボード上を自動的に移動するカーソルをスイッチで止めて,キーを選択する走査入力法と呼ばれる方法などもあります。
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図1 大型キーボードの例 |