この章では,あらゆる教科を通じて,教員がITを活用した授業を行う上で参考となる工夫方法を示します。
【工夫1 IT機器で新しい学習環境を作る】
○プロジェクタの活用
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プロジェクタなどの大型提示装置を活用して,クラス全員に教材を提示することにより,全員が1点に集中した,一体感のある授業を展開することができます。教材を提示するためのプロジェクタなどを教室に配置し,スイッチを入れるだけで利用できるようにしておくと手軽に利用できます。また,電子ホワイトボード(注1)などを利用すると,教員や複数の児童生徒が一緒に操作したり,画面上にメモを書き込んだりすることができ,さらに効果的な授業ができます。 |
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○既存設備とIT機器との組み合わせ
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従来のホワイトボードなどをスクリーンとして,プロジェクタで映した図形をそのボード上に描き写し,新たに映し出した図形と重ねて比較するなど,既存の設備とITを組み合わせることで,児童生徒に興味や関心をもたせる教材提示ができます。
また,黒板も,1,000ルーメン(注2)程度のプロジェクタを使用することによりスクリーンとして使用できます。 |
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○コンピュータ以外のIT機器の活用
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コンピュータに限らず,特定の教科の学習に対応した機器を活用することができます。例えば,算数・数学用ソフトウェアを組み込んだグラフ電卓や計算練習機能を組み込んだ電卓,ディスプレイに表示できる顕微鏡などを活用することは有効です。このほか,録画しながら,録画した映像を数分遅らせて再生できるHDDレコーダやDVDレコーダの活用も有効です。 |
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(注1) |
電子ホワイトボード:コンピュータの画面を投影し,指や専用のペンで画面に触れることで,コンピュータの操作を行うことができるホワイトボード状のスクリーン。 |
(注2) |
ルーメン:明るさを表す単位。 |
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