具体的な実践事例
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  高等学校 国語表現I 慶應義塾湘南藤沢中・高等部 田邊則彦
IT活用のポイント
授業場所 ■普通教室 □コンピュータ教室 □特別教室 □体育館
□運動場 □屋外 □その他〔 〕
授業形態 ■一斉学習 □グループ学習 □個別学習 □補習 □その他〔 〕
ITを活用する場面 ■導入 ■展開 ■まとめ □その他〔 〕
ITを主に活用する者 ■教員 ■学習者 □その他〔 〕
ITを活用する目的 ■課題の提示 ■動機付け ■教員の説明資料 ■学習者の説明資料 □繰り返しによる定着 ■モデルの提示 □失敗例の提示 □体験の想起 ■比較 □振り返り □体験の代行 □その他〔 〕
活用するIT ■コンピュータ ■プロジェクタ ■スクリーン □電子ホワイトボード ■実物投影機 □デジタルカメラ □ビデオ ■インターネット □デジタルコンテンツ □CD-ROM □スピーカー □その他〔 〕

セールスポイント
教室に置かれた実物投影機とプロジェクタを利用し,実際に生徒が作業した結果を提示しながら説明を行う簡便な実践である。

単元名
「表現編 書くこと2『推敲』」
学習指導要領との対応:
内容
 情報を収集,整理し,正確かつ簡潔に伝える文章にまとめること。
 目的や場に応じて,言葉遣いや文体など表現を工夫して話したり書いたりすること。

指導目標
 夏目漱石の「道草」の原稿を提示し,その推敲の形跡をたどりながら,著作者の内面的な葛藤を浮き彫りにする。より良い文章にするための「推敲」の手順を学び,ワープロソフトの「変更履歴機能」を使って,詩や創作文の文章表現の推敲を行う。
 自分の作成した文書をチェックする過程を記録し,「なぜ変更したのか」「変更したことによってより良い表現となったか」を発表し,表現する力を育む。変更履歴を使い "赤線引き" や "黒線引き" のような記号をつけ変更箇所を示すようにすると,変更箇所を確認することができるので,プロジェクタで推敲過程を投影し,いろいろな角度からの検討を加える。

指導計画
(1) 朝起きてから今までの間の「できごと」についてワープロソフトを使って文章にまとめる。
(2) 夏目漱石の「道草」の原稿を提示する。
導入で「道草」のあらすじを紹介する。
  大正4年(1915年)6月3日〜9月14日,「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」に連載
漱石の実体験を基に書かれた自伝的小説といわれる。
○漱石の文学が投げ掛ける「問」について考える。
○漱石の文学作品の中で,必ずしも「問」に対して「解」が示されているとは限らない。
○「問」はあらたに大きな「問」を呼び起こす。
○『道草』は,人間の根源的な「問」が問われる作品といえる。
○漱石最後の完成作であり,唯一の自伝小説である『道草』の魅力を探る。
新聞連載小説 夏目漱石 「道草」の画像
図1 新聞連載小説 夏目漱石 「道草」
http://www.kinokuniya.co.jp/nb/bw/camp35.html
推敲の形跡をたどる。
   「道草」の推敲の様子を知ることのできる資料を提示し,文章表現を高める文筆活動がどのように行われたのかについて話し合う場を設ける。
「道草」の推敲のあと 第1回1枚目の画像
図2 「道草」の推敲のあと 第1回1枚目
http://www.kinokuniya.co.jp/nb/bw/camp35.html
「道草」の推敲のあと 第22回6枚目の画像
図3 「道草」の推敲のあと 第22回6枚目
http://www.kinokuniya.co.jp/nb/bw/camp35.html
(3) 推敲の必要性について学ぶ。
自分の書いた文章を,何日かたって読み直したときに,変に感じた経験について話し合う。
書いた直後の読み直しと,時間をあけて行う読み直しの違いについて話し合う。
声に出して文章を読みあげたときに,自分の書いた文章の直すべきところに気づいた経験について話し合う。
推敲のポイントを整理する。
○主題をきちんと表現できたか。
○段落の区分は適当か。
○主語と述語,修飾語と被修飾語の関係は適正か。
○各文の接続関係におかしな点はないか。
○送りがなや仮名遣いの誤り,誤字,脱字はないか。
○むだな語句や文はないか。
(4) 自分の書いた「朝起きてから今までの間の「できごと」」の文章を推敲する。
ワープロソフトの,編集中の変更の履歴を記録する機能を利用する。
編集する文書を開く。
[ツール]メニューの「変更履歴の作成」で,「変更箇所の表示」−「編集中に変更箇所を記録する」に設定する。
文字の挿入・削除・移動を行い,文書の推敲・編集作業を行う。
確認は[ツール]メニューの「変更履歴の作成」で,「変更箇所の確認」で行う。

春を告げる魚「メバル」のことを今朝雑誌で読んだ
目が大きく貼っているのでメバルというのだそうだ
黒いメバルと赤いメバルがいるが同じ魚なのにすんでいるところで退職異なる
エビで釣るメバルをエビメバル,鰯でつるメバルをイワシメバルと釣り人は区別しているそうだ

今朝,春を告げる魚「メバル」のことを今朝雑誌で読んだ
釣り人は「メバル釣り」を待ちわびている。メバル釣りのことが話題になると段々と暖かくなってくるからだ。
エビで釣るメバルをエビメバル,鰯で釣るメバルをイワシメバルと釣り人は区別しているそうだが,釣り人のこだわりが感じられる。


目が大きく貼って張っているのでメバルというのだそうだ
黒いメバルと赤いメバルがいるが同じ魚なのにすんでいる棲んでいるところで退職体色が異なる面白い魚だ。浅いところに棲んでいるメバルは体色が黒く,深いところに棲んでいるメバルは赤いのだそうだ。
エビで釣るメバルをエビメバル,鰯でつるメバルをイワシメバルと釣り人は区別しているそうだ

ビデオクリップサムネール1
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ビデオクリップサムネール2
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ビデオクリップサムネール3
ビデオ300k ビデオ150k
文章の推敲データの再利用 文字の入力 文章の推敲の実際

指導上の留意点
辞書を引きながら推敲の作業をさせたい。言葉の順序を変えるだけで,表現力が増すこともある。いろいろな表現に気づかせたい。誤字脱字や句読点の打ち方など,再確認し,読みやすい文章をめざすことに主眼を置きたい。

参考資料
夏目漱石原稿 道草 <全三巻>  
●2004年3月中旬刊行
●監修 財団法人日本近代文学館
●解説 十川信介
●出版社 二玄社

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