具体的な実践事例
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  高等学校 国語表現I 慶應義塾湘南藤沢中・高等部 田邊則彦
IT活用のポイント
授業場所 ■普通教室 □コンピュータ教室 □特別教室 □体育館
□運動場 □屋外 □その他〔 〕
授業形態 ■一斉学習 □グループ学習 □個別学習 □補習 □その他〔 〕
ITを活用する場面 ■導入 ■展開 ■まとめ □その他〔 〕
ITを主に活用する者 ■教員 ■学習者 □その他〔 〕
ITを活用する目的 ■課題の提示 ■動機付け ■教員の説明資料 ■学習者の説明資料 □繰り返しによる定着 ■モデルの提示 □失敗例の提示 □体験の想起 ■比較 □振り返り □体験の代行 □その他〔 〕
活用するIT ■コンピュータ ■プロジェクタ ■スクリーン □電子ホワイトボード ■実物投影機 □デジタルカメラ □ビデオ ■インターネット □デジタルコンテンツ □CD-ROM □スピーカー □その他〔 〕

セールスポイント
教室に置かれた実物投影機とプロジェクタを利用し,実際に児童が作業した結果を提示しながら説明を行う簡便な実践である。

単元名
「表現編 書くこと2『手紙の書き方・電子メール』」
学習指導要領との対応:
内容
 情報を収集,整理し,正確かつ簡潔に伝える文章にまとめること。
 目的や場に応じて,言葉遣いや文体など表現を工夫して話したり書いたりすること。

指導目標
インタビュー記事の作成を通して,手紙の書き方を学び,電子メールと従来の手紙との比較を行う。電子化された情報の最も優れた特徴である加工・編集の容易であることに着目させ,引用や複製に関する正しい認識を育て「情報倫理教育」の入り口として位置づける。電子メールをテキストとして保存し,ワープロソフトやプレゼンテーションソフト等で活用することができることを確認する。

指導計画
(1) インタビュー取材の計画を立てる。
仮想雑誌の記者として,友だちもしくは是非とも紹介したい人にインタビューし記事をまとめる計画を立てる。
 
インタビューする相手を決める。
15〜30分間程度のインタビューとする。
インタビューの場所と時間の設定。
インタビューの形態を決める。
形式張らないスタイル/形式張ったスタイル
どういう質問をするか質問内容について,キーワードをまとめる。
質問の順序や流れをおおまかに決めておく。
実際にどういう言い回しで質問するかを決める。
どういう手段で記録するかを決める。
用意するものを確認する:メモ帳,必要であれば録音機,カメラ。
次の手順に従ってインタビューを実施する。
 
電子メールを活用し,インタビュアーは,相手と事前にインタビューの日時の約束をとる。
インタビューの主旨を説明する。
どれくらい詳しく聞きだすか,目安を立ててインタビューに臨む。
録音する場合は,インタビューはインタビュアーが相手と向かい合って座り,マイクをセットして行う。
インタビュアーは,メモをとるか録音をしながらインタビューを行う。
インタビュアーは,聞き逃さないようにメモを取りながらインタビューを開始する。
インタビューの心得として,個人のプライバシー・個人情報に触れないこと。
インタビューでは,臨機応変の対応が求められるので適切な判断を心がける。
デジタルカメラで写真を撮影する。
ビデオクリップサムネール1
ビデオ300k ビデオ150k
ビデオクリップサムネール2
ビデオ300k ビデオ150k
ビデオクリップサムネール3
ビデオ300k ビデオ150k
(2) インタビュー記事をまとめる。
ワープロソフトでインタビュー記事をまとめる 。
  ○A4縦置き,2ページで構成する。
○横書き/縦書きは自由。
○文字サイズは自由。
○段組を使用してレイアウトを工夫する。
○見出しは各自で工夫する。
○インタビューの場所・時間帯・所要時間を記入。
ビデオクリップサムネール4
ビデオ300k ビデオ150k
相手に了解を取った上で写真撮影に臨み,記事中でインタビューの様子などを写真で紹介する。
 
デジタルカメラで撮影した写真は画像処理ソフトでサイズを小さくしてから文書作成ソフトに取り込む。
(3) インタビューに協力してくださった方に,内容の確認やお礼の電子メールもしくは手紙を出す。
 手紙と電子メールの長所・短所を考える。
 プロジェクタに以下のスライドを映しながら話し合いの場を持つと良い。
 次のことを認識させたい。
 
電子メールは手紙の一種。
誰かに何か連絡したり,思いを伝えたりすることができる。
便箋やはがきにペンで書き切手を貼ってポストに投函する手紙とは異なり,電子メールはコンピュータ上の電子メールソフト(メーラ)を利用して作られ,ネットワークを通して相手に届けられる。
相手が電子メールアドレスを持っていれば,それがどんなに遠くであっても簡単に電子メールのやりとりができる。
最も大きな特徴は速いこと,地球の裏側にでもあっという間に届く。
電子メールの送受信は好きな時間に行えるのも特徴。
電話と違い相手の都合や時差の制約が少ない。
電子メールは手紙と電話の良いところを合わせ持ったコミュニケーション方法。
資料画像1
目的や場に応じて,言葉遣いや文体など表現を工夫する。
  電子メールや手紙を活用して,インタビュー記事のまとめや内容確認を行う。相手や目的・場に応じて,言葉遣いや文体など表現を工夫する。以下に電子メールの一例を示す。
From: (Mr.) TS <jsXXXXXX@sfc-js.keio.ac.jp>
Date: Mon, 23 Feb 2004 16:02:10 +0900
To: ZZZZZZZ@sfc-js.keio.ac.jp
Cc: YYYYYYY@sfc-js.keio.ac.jp
Subject:インタビューの件
MIME-Version: 1.0
X-Mailer: AL-Mail32 Version 1.11
Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp
X-UIDL: 93e41bfd7fc4dc8e923862ce675a1ca7

B組の□□です 

今回はインタビューの取材にご協力頂き,ありがとうございました。
ところで,記事を書くにあたり,先生のプロフィールを紹介させていただきたいのですが
次のように掲載させていただいてよろしいでしょうか?
スタッフ名鑑によりますと

誕生日2月13日
あだ名:へんちゃん
好きだったアニメ:アンドロメダストーリーズ
初めて買ったCD,LD:およげたいやきくん
好きな数字,漢字:6(完全数だから)
名前の由来:京都の広隆寺
購読している新聞:読売新聞

とありますが変更したい点や追加したい点などありましたら
ご連絡いただけますでしょうか。
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(Mr.) TS jsXXXXXX@sfc-js.keio.ac.jp


ビデオクリップサムネール5
ビデオ300k ビデオ150k
(4)  インタビュー記事作成の感想をまとめ発表する。
 インタビューに応じてくださった方にインタビュー記事をみていただき感想をもらう。
「インタビュー協力者の感想 屋代 顕」
  人から話を聞きだし全体をひとつのストーリーにまとめるという訓練はとても大切なことでよい企画だと思います。今まで本人が知らなかった分野の内容を聞き出すということでてこずったり,うまく突っ込めなかったりというところも感じましたが,聞いた話をうまくまとめて,市場,技術,とお客様の変化と製品企画の移り変わりをとらえているのではないかと思います。
  「生徒の感想」
  今回のインタビューでは予め質問内容などを考えて,順を追って聞いていく予定でしたが,実際にはなかなかインタビュー相手を思い通りの話の方向にむけることができませんでした。これはおそらく僕の質問の幅が広すぎた,もしくは曖昧だったためインタビューされる側がどんなことを答えていいのかわかりにくかったからだと思います。次回このような機会があったら,より具体的で細かな質問をするよう心がけ,自分が相手から何を聞き出したいのかを相手にわからせるような内容のインタビューができるようにしたいと思います。
 今回のインタビューで,コンピュータ開発専門家に話を聞くことにより,普段は知ることのできないノート型コンピュータ開発の裏側を知ることができました。ノート型コンピュータの開発といえば,ただ漠然とすべてを小型化するというイメージしか持っていなかったのですが,実際には時代や消費者のニーズの移り変わりによって,常に開発の目標が違ってくるということがわかりました。特に「客の要求がある程度満たされると,開発目標が変わってくる」ということに,研究開発の難しさというものを感じました。インタビューでは普段なかなか知ることができない部分を知ることができ,また自分から聞きたいことを質問できるとてもいい方法なので,今後の調べものなどの活動などに積極的に活かしていきたいと思います。
インタビュー記事の画像
インタビュー記事

指導上の留意点
取材する側と取材される側の両方の立場になって,「情報」を伝えることの意味を考えるきっかけとしたい。そのためにインタビュー記事が完成した段階で,インタビューに協力してくださった方に記事を読んでもらい,感想をもらうと良い。なお,計画段階や記事作成での確認事項や依頼事項を電子メールで送る際の注意事項に触れ,協力の謝辞を電子メールと手紙で送る場合の違いについて,しっかりと考えさせたい。学習の成果は教科等への応用・発展が期待できる。

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