1. ホーム >
  2. 国内アンケート調査結果 >
  3. 教育委員会関係 >
  4. ICT環境の整備に関する調査

教育委員会関係

2.2.2.1  ICT環境の整備に関する調査

  1. 域内の学校における整備の実態および計画
  2. 研修・人材の育成(研修制度と運用)
  3. 情報システム担当外部専門家(教育CIO)の実態と将来像

(1)域内の学校における整備の実態および計画

(a)文部科学省の整備計画について

都道府県教育委員会においては、整備計画に基づいてICT環境の整備が進められているが、政令都市・市町村教育委員会になるほど、整備計画の遅れがみられる。

特に、市町村レベルでは42台のコンピュータが整備されたコンピュータ室の整備済みの教育委員会が、全体の49.8%という回答である。(図17)

また、普通教室に各2台のコンピュータについては、整備済みの教育委員会は7.8%しかなく、計画がない教育委員会が、51.9%という数字である。(図18)

このような状況の中で、プロジェクタ等の周辺機器の整備は、さらに難しいと考える。

この問題は、情報担当者の意識調査のなかで、教育の情報化を推進する上での課題として、80%以上の担当者が、財政難が大きな課題と回答していることに裏付けられる。(図19)

(b)教育用イントラネットについて

都道府県教育委員会・政令指定都市では、順調に整備が進んでいるが、市町村教育委員会においては、43%と低い数字を示している。その利用においても、学校からのインターネット検索やホームページの公開という利用にとどまるケースが多く見られ、イントラネットを有効に活用するまでには至っていない。(図20)

(c)ソフトウェアについて

導入については、教育委員会での一括購入・学校での判断での導入など地域の実情により、その方法は異なる。コンテンツの配信契約という方法はごく一部である。

予算の中で、ソフトウェアは備品購入費として、位置づけている教育委員会がほとんどであり、使用料等に位置づけを変更しなければ、コンテンツの配信契約での導入は、進まないものと考える。

(d)ICT環境などの整備計画について

市町村教育委員会では、今後策定予定・予定がないが70%を超える実態が見られ、このままでは今後ICT環境等の整備における格差は広がるものと予想される。

また、その重点はハード面にウエイトが置かれているが、ハード・ソフト・人材・運用体制等の項目を明確にした整備計画の作成が急務である。(図21)

(2)研修・人材の育成(研修制度と運用)

教員研修は、10回未満という回答が市町村教育委員会では70.7%。一方、50回以上と言う回答が都道府県、政令指定都市で80%~90%であり、都道府県・政令指定都市の教育委員会が中心となって研修が実施されていることがわかる(図22)

ICT関係の教員研修となると、市町村では89.2%が10回未満という回答からさらにその傾向は顕著となる。

都道府県教育委員会においては、ICT機器の基本操作よりも、授業におけるICTの活用・情報モラルなどの意識啓発を中心とした研修に、重点が置かれている。(図23)

リーダーに対する研修は、ネットワークなどのシステム管理、授業におけるICT活用の普及・推進、いずれの項目について十分に行われておらず、今後もリーダーに対する研修の機会を多く設けて、研修を行っていく必要がある。(図24)

今回のアンケートの回答者についても、回答のあった376の教育委員会で、回答者の役職をみると教育職の回答者は、全体の52.6%であった。教育委員会内部にも教育の情報化を推進できる人材は、少ないのではないかと考える。

さきにも述べたように、教育の情報化を推進する上で、財政難が大きな課題であるが、同様に教育の情報化を推進できる担当者不足も課題となっている。 教育委員会全体の回答をみてもわかるように、「大きな課題である」が48.6%、「ある程度課題である」が42.4%と全体の90%を超える教育委員会が課題であると考えている。(図25)

教育の情報化を推進していく上で、リーダーの育成は、急務であると考えられる。

また、研修内容についてもネットワークなどのシステム管理、授業におけるICT活用の普及・推進、情報教育やICT活用に関する教育課程の策定、校務情報化の推進というように多岐にわたるため、計画性のある研修計画を立案することが求められる。

ページの先頭に戻る