海外実地調査結果
4.1 韓国
- 今回訪問した小学校、中学校の教室の情報環境は、リアプロジェクションテレビ、ノートパソコン、OHCで構成されている場合が多く、特別教室等にも設置されていた。また、教科でのICT活用は、KERISや指導教育庁が開発したデジタルコンテンツの利用のほか、昇進等のインセティブもあって、教師の自作教材の開発も積極的に行われている。
- 国の政策に基づいた教育情報化の具体的な施策は市道教育庁が担当しており、情 報課長というポストが用意され、技術者が30人配置されている。その下部組織 (市町村教育委員会に相当)にも情報教育担当者1名と3人の技術者が配置され、 学校におけるICT活用をサポートしている。また、現在、各学校においてe-CIO を決めようとしており、教頭にその役割が位置づけられようとしている。
- 教員のICT活用指導力育成のための教員研修のカリキュラムや教材開発等はKERIS が行っており、16の市道教育庁が研修を実施している。また、京畿道教育庁では 独自に教員のICT能力検定試験を実施し、ITC活用能力の底上げを図っている。
わが国においても、研修カリキュラム等の研究開発を担う韓国教育学術情報院(KERIS)のような機関が不可欠となる。研究者や技術者だけでなく教員経験者をスタッフに多く含み、学校現場の実態を踏まえ、教育情報化を支える研究開発を継続的に行う機関、組織が必要であろう。