今日の実験の目的を説明した後,実験の安全指導に入り,ビデオクリップを再生します。その前に,「『やってはいけない』誤った実験操作をすると,どういう危険なことが起きるのかを見せる」ということを説明しておきましょう。 ただし,ビデオクリップを再生する前に,「試験管にひびが入る」という現象を口頭で説明してしまってはあまり効果的ではありません。再生前の説明は簡単なものにしましょう。
「固体の加熱実験」のビデオクリップには,ナレーションの音声がつけられています。しかし,最初は,音声を消した状態でビデオクリップを再生してみましょう。生徒の集中力が高まり,生徒が主体的にビデオクリップを見るようになります。 ビデオクリップを再生してみて,生徒が気付いたことがあれば,それをクラス全体に発表させましょう。
ビデオクリップを繰り返し再生しても,その中で何が起きているかをすぐに理解できない生徒もいると思います。その場合は,どのシーンに着目すればよいかを助言しましょう。教師が助言してもよいですし,すぐに理解できた生徒に助言させてもよいでしょう。 ここで紹介する授業では,すぐに理解できた生徒をスクリーンの前に移動させて,試験管のひびの箇所を指示させています。
最後は,ナレーションの音声が聞こえる状態にして,ビデオクリップを再生しましょう。そうすると,「誤った実験操作をやると,どういう危険なことが起きるのか」を生徒一人ひとりが確認する場面を設定できます。
生徒実験に入る前に,誤った操作をやってはいけない理由をクラス全体で最終確認しましょう。生徒に発表させながら,先生が補足説明するとよいでしょう。こうすることで,「誤った実験操作」と「そのように操作すると起きてしまう危険なこと」を関係づけて深く理解できます。