1. ホーム >
  2. 次世代モデルに向けた検討課題の現状と動向 >
  3. ICTサポート体制の充実 >
  4. 課題

5.2.2  課題

教育の情報化が進んでいる地域では、教育委員会の情報担当者が豊富な知識や経験をもち、優れたスキルを有している場合が多い。そして、教育の情報化の意義や効果を説明し、計画的に環境整備を行うための予算化を実現している。しかし、こうした人材の育成はなされておらず、不足している。また、教育委員会、あるいは自治体内での情報担当者の役割や権限が明確になっていない場合が多い。この状況は学校でも同様であり、特に本来、授業レベルでの推進役として期待される校内の情報担当者が、技術的なトラブル等に対応せざるを得ない状況になっている。

そこで、教育の情報化を推進する担当者を教育委員会、学校のそれぞれにおいて、明確に定義することが課題となる。

なお、現時点では、以下のような定義が考えられる。

このように、教育委員会、学校共に情報化を推進し、サポートする人材は不足しており、教育の情報化が遅れている原因となっている。

教育委員会のレベルで教育の情報化を推進する人材

(教育CIO)

情報システムや情報セキュリティ、個人情報保護など情報戦略を理解し、経営戦略にも責任を持つ、経営と技術とを整合性を保って展開出来る人材。地域のICT環境整備計画の策定を行い、情報化の推進役となる。教育長または教育次長がその役割を担うか、当該自治体の自治体CIOが教育CIOを兼務することが考えられる。

(教育CIO補佐官)

学校や教育関連機関を結ぶ教育用ネットワークやICT環境を計画・運用できる実務担当者。教育分野の幅広い連携関係の中で、各分野の専門家との連携体制を構築することが望まれる。情報担当指導主事が教育CIO補佐官の役割を担うか、首長部局の情報担当が指導主事と共に教育CIO補佐官になることも考えられる。また、教育委員会や自治体内部に適任者がいない場合は、地元のIT企業の専門家など、外部の人材を非常勤等で雇用することも考えられる。

教育CIO、教育CIO補佐官は、教育分野のICT環境の計画・構築・維持・運用といった共通の役割はあるものの、その権限や業務範囲は、地域の実情に合わせる必要がある。

学校内のレベルで情報化をサポートする人材

(情報主任)

ICT環境整備、カリキュラム、研修、予算等学校全体の情報化を推進する教員。ICT活用の豊富な実践経験が求められる。なお、中央教育審議会「教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正について」(答申)において、「学校における組織運営体制や指導体制の確立を図ること」とされており、ICTの活用についても、管理職のリーダーシップの発揮など、様々な形での管理運営体制の充実が求められていることから、校長、教頭が学校の情報化の推進に責任をもつことも考えられる。

(ICT支援員)

教育委員会が学校のネットワークやサーバ等の保守管理や、機器のトラブル対応等のためにアウトソーシングする外部人材のこと。サポートセンター、コールセンター等から外部人材を派遣する場合や、学校ボランティアを活用すること等が考えられる。

これらについても、地域の特色を活かした配置を検討する必要がある。

ページの先頭に戻る