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<コラム>「2010年の教室物語」

2010年5月X日○×小学校4年生クラスの一日

2時間目は理科。先生は休み時間の間に、デジタルコンテンツにアクセスをして、竹の成長を映し出したコンテンツを探していた。休み時間が終わり、2時間目が始まる。
「2時間目の理科の授業を始めます。朝のスピーチで、タクト君が竹の写真を撮ってきてくれていたけど、さっき休み時間に、先生もネットでこんな資料や映像を見つけました。」
竹の種類や竹の成長の様子を時間を縮めて写した映像を見せた。
「竹って、いろんな種類があるし、タケノコの成長はすごく早いんだね。そうそう、みんなが植えた稲はどうなっているだろう。実は、夜の間も先生どうなるか気になって、ビデオを仕掛けてとっておいた映像があるんだけど見てみたい?」
ビデオカメラの10分置きに撮影する機能を使って撮影した映像を再生した。稲が夜の間も成長している様子がはっきりと映し出されている。
「みんなが寝ている間も、稲は成長しているんだね。」
「先生、稲の葉っぱと竹の葉っぱって似てない?」
画面に鮮明に映し出された葉っぱの葉脈が、どちらもまっすぐなことにアマネ君が気付いた。アマネ君は、植物や動物が大好きで、たくさんの植物や昆虫、動物を育てている。
「どんなところが似ているの?」
先生は聞くと、葉脈の違いを話し始めた。
「竹の葉っぱがどうなっていたかわからないので、調べに行っていいですか?校庭のブランコのところの竹林の竹を見てみたいんだけど。」
ユキコちゃんが先生にお願いすると、
「じゃあ、みんなで見てこようか。でも、他のクラスは授業をしているから、静かにね。すぐに廊下に並んでください。コウキ君、デジカメ持ってきてね。」
みんなは小走りに廊下を歩いて、校庭に出かけていき、竹の葉っぱを観察する。もちろんデジカメで写真を撮ってくる。帰りに学校園のところで育てている稲も一緒に観察した。観察が終わると、教室に戻る。教室に戻ってすぐに、アマネ君がネットを調べてまた新たな発見をした。
「先生!、稲とか竹とかは、単子葉植物っていうんだって。葉っぱの葉脈の形がまっすぐで、分かれないのが特徴なんだって。去年育てた朝顔とかは、葉脈が網の目みたいになっていて、双子葉植物っていう違う仲間なんだ。単子葉、双子葉って、芽が出た時の芽の形が、一つの葉っぱなのか、双葉が出てくるのかで違うんだって。そういえば、朝顔は双葉が出てきたけど、稲は葉っぱが一つ出てきてたな。」
「すごいことを調べたね。みんながとってあるデジカメの写真で、稲の芽が出てきたときの写真を探してみましょうか。去年の朝顔の写真もあるかな?」
子どもたちの学習で利用した写真は、データベースになっていて、簡単に探し出すことができる。それらを写しながら、確認をする。
「やっぱりそうだね。他の植物もおなじように仲間分けができるのかな。ちょっと難しいかもしれないけど、いろいろ調べてみるとおもしろそうだね。」
子どもたちの探究心はとどまるところを知らない。みんなで写真を確認したところでチャイムがなって終了した。

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