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<コラム>「2010年の教室物語」

2010年5月X日○×小学校4年生クラスの一日

3時間目の体育は、跳び箱とマット運動。
お昼休み、6年生の放送部員が作成したビデオ番組が放送された。ビデオ番組は毎週1回、金曜日のお昼に放送される。今日は給食の残飯の問題について、給食のおばさんや、栄養士の先生へのインタビュー、残飯がどのように処理されているのかのレポートが流された。おかげで今日の給食は、みんなほとんど残さずに食べていた。
5限目は国語。授業の最初に、毎日5分ずつやっている漢字の書き取りテストが行われた。各自に配られたタブレットPCを使って、漢字の書き取り問題に挑戦。書き順だけでなく、とめ、はねまで厳しくチェックされる。漢字の得意なカオリちゃんは、すでに5年生の問題をやっている。子どもたちが今、どの級まですすんでいるか、どんな文字を書いているかは、先生のパソコンで簡単に確認できる。これをやり始めてから、ノートに書く文字も、しっかりしてきた。
6限目の授業は総合的な学習の時間。今日はALTの先生がやってきて、英語の勉強。ALTの先生の出身はオーストラリア。先生の出身の小学校のWebページを見せながら、オーストラリアの小学校の様子、時間割、勉強の仕方などを学んだ。ケンちゃんは、オーストラリアの学校に給食が無いことにびっくり。教室ではなく、カフェテリアで食べるらしい。そのとき、先生のパソコンのテレビ会議ソフトが起動して、先生にテレビ会議の呼び出しがあった。どうやらオーストラリアに住む先生の両親からのようだ。先生はパソコンにつけたカメラを起動して、テレビ会議を始めた。画面の向こうから聞こえてきた「Hello!」という声に、みんな大歓声。大きな声で「ハロー!」って返事をする。先生は今日の授業のために、両親に接続をお願いしていたようだ。早速始まった質問タイム。みんなオーストラリアの生活について、いろんな質問をしていた。中には英語で質問をする子どもも。ALTの先生は、子どもたちに、簡単な英語での質問の仕方を教えてくれて、みんなそれに挑戦。ご両親も優しい英語で、ゆっくりと答えてくれて、子どもたちにも良く理解できたよう。みんな英語でした質問が通じたことにも大満足。
帰りの会では、明日の朝のスピーチの担当と宿題の確認をした。みんなが下校したあと、先生は、今日一日の出来事や、宿題などをCMSを使ってホームページにアップロードする。親もIDとパスワードをいれてアクセスすることができるので、子どもたちの学習の様子や、宿題をホームページを通して知ることができるようになっている。
また、ネットワーク上に蓄積されたコンテンツを検索し、明日の授業の準備をしておく。必要な資料が見つからなかった場合、教育センターに配置されている「ICTサポーター」に相談すると、必要な資料を集めてサーバに置いておいてくれたり、URLを知らせてくれたりする。「ICTサポーター」は、様々な学校の先生が、どの学年のどの教科のどの部分でどんなコンテンツをどのように使っているかを常に調べていて、授業で利用するコンテンツと、その利用方法について、いろいろとアドバイスをしてもらえる。先生にとっては大変頼もしい存在である。
最後に、先生は日報と、明日の他の先生への連絡事項をネット上に書く。校務の情報化システムが導入されてから、朝礼が無くなり、各自がこのシステムを毎朝チェックする約束になっている。その分、早く教室に入ることができるようになり、子どもたちと接する時間が増えた。
先生は帰宅後、やり残した仕事を思い出した。ネットワークで学校のサーバーに接続する。学校のネットワークには、仮想専用線で安全に接続することができ、学校にいるのと同じように校内サーバのデータを自宅からも利用することができる。30分ほど接続して一日が終わった。

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