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5.4.1  現状と課題

第2章で述べたアンケート調査の結果から明らかなように,わが国の学校におけるICT活用は,量的にも質的にも,その充実を図るべきである。前者については,普通教室におけるICT活用が緊急の課題である。例えば,普通教室においてICTを週に10時間以上活用している学校が1%程度であるという,アンケート調査結果は注目すべきと考える。後者については,ICTの特長を生かした学習活動が普及していないことが重要な問題である。例えば,アンケート調査において,ICTを活かした国際交流の実施をたずねたところ,小中学校では「1年間に1回程度実施」「1年間に複数回実施」と回答した学校をあわせても,わずか3.2%にすぎなった。高等学校の場合でも,それは,7.3%にとどまっている。

こうした現状を打破し,学校におけるICT活用を量的・質的に充実させるためには,ICT活用を基盤とする教育方法の特長やイメージを教員が会得すること,それを促すための教材やシステムを整備することが不可欠である。にもかかわらず,それらが不十分であることは,例えば,アンケート調査において,教室のICT環境の将来像をたずねた結果に顕著に示されよう。英国でその利用が一般化されている電子情報ボードでさえ,その設置を望む声が小さい(それを期待する小中学校は,70%程度にとどまっている)からである。

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