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  4. 2015年までに達成すべきこと

5.4.3  2015年までに達成すべきこと

2015年までには,一斉授業におけるICTの効果的な活用に加えて,ICT活用を基盤とする個別学習環境の構築,国際交流や国際理解学習におけるICT活用の普及も達成すべきであろう。

(1)個別学習の重視

ICTの活用は,児童生徒の学習履歴を残したり,教員と児童生徒が1対1の学習環境を構成したりしやすいので、本質的に「個別学習環境」の構築に役立つ。

学力向上のためには,個に応じた指導,きめ細かな指導が必須であり、個に応じた指導等の導入を推奨しようとすると教員が,ICTを活用することが有効である。同時に,個に応じた指導を実現するためには,それを可能にする教材の開発が不可欠である。換言すれば,教員による指導を補完したり,拡充したりする,e-Learningのシステムやコンテンツの開発を進めるべきである。そしてこの時期には,教科書自体のデジタル化も行われていることが期待される。

なお,こうした個別学習環境は,例えば不登校や院内学級に属する児童・生徒にとっては,不可欠なものになるであろう。

(2)電子ポートフォリオの導入

個別学習・習熟度別学習の発展に伴い、どのような課題や学習に取り組むかを児童・生徒自身や教員が決定する際には,それを検討するための参考情報が必要である。そのため,英国のように,個別学習環境の構築は,電子ポートフォリオの導入や整備を伴うことが必要である。また,やはり英国の先進事例で確認されたように,個別的な学習を充実させるためには,個々の児童・生徒の学習状況をモニタリングしたり,彼らに必要な学習課題やコース等を推奨したりする人材が教員組織に明確に位置づけられることが望ましい。

(3)家庭学習との連携

 

個別学習環境は,学校における授業の内容と家庭学習とを接続するe-Learningシステムの構築によって,いっそう充実する。ただし,それによって教員の負担が増えることのないようにする必要がある。将来的には,学校あるいは教育委員会が外部の人材や組織を活用して,そのようなシステムの導入を実現することも検討に値する。それまでには,前述の教科書準拠型のデジタルコンテンツや教科書自体のデジタル化に加え、様様な良質のコンテンツの開発が重要である。

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