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3.1.5  将来像への反映の観点

まずは、環境整備を急ぐ必要がある。どの学校段階でも授業と授業の間の休み時間は10分程度であり。その間にプロジェクタを移動して、設置することは大きな負担になっている。天井据え付け型のプロジェクタやプロジェクタワゴン、大型ディスプレイの早急な設置が求められる。

低反射型のホワイトボードも有効であろう。光が丘中学校では、学校用務員の方が、手作りのホワイトボードを作成して利用していたが、専用のもので無くても、十分に利用は可能であると考える。日本の授業の特徴として、きれいな板書を作成するということがある。授業の上手な先生は、授業後に見事な板書が残っている。同じ事をインタラクティブ・ホワイト・ボードで実施することは難しい。プロジェクタで資料を提示しながら、同時に現在の大きさ程度の黒板やホワイトボードで板書をするといった併用型の利用の方が、授業で使いやすくなるのではないかと考える。

教室の電源容量、電源系統の見直しが必要であろう。同時に、教室の蛍光灯の系統の見直しも必要である。通常の教室では、黒板等、南側、北側といった電源系統になっており、スクリーンなどを利用する際には使いづらい。写り込みの少ないタイプの大型ディスプレイなどを用いれば、このあたりは手を加えなくても良いかもしれない。

教師用のコンピュータは必須である。授業を進める上では、タブレット型のPCも利用しやすい。ペンで画面に書き込みをしながら、その書き込みを残すことも可能である。

ブルートゥースなどの無線技術で使えるものも出てきており、机上の場所をとらず、ノートをきちんととらせながら、必要な際に情報を検索したり、メッセージを送信したりできる程度の端末を、各自が持って授業を受けるようになれば、また違った授業構成が考えられるのではないかと思われる。また、これら携帯情報端末は、学校所有ではなく、個人所有の形で購入することも検討したい。小学校だと6年間、中、高等学校は3年、もしくは6年リースなどで利用し、県域などで統一を図っておけば、利用がしやすいと考える。少なくとも、規格だけでもそろえることは、やっておきたい。

安全で安心なネットワークの整備も急ぐ必要がある。生徒全員で学習端末を無線LANで接続することを想定した場合、高速な無線LAN環境を整備しておく必要がある。

教員の研修は、センターで行う集合型研修だけでなく、各学校内で進めていきたい。授業時間の関係などで、集合型研修は参加がしにくくなってきている。また、実際の授業環境と同じか、近いもので研修を行うことにより、より授業での活用の敷居を下げることができると考える。また、研修の責任を、各学校の教頭、教務主任がきちんと持って、校内研修計画の中に、ICT活用を明記させるべきであろう。

外部人材による支援は、その役割、責任を明確にする必要がある。導入時にできるだけメンテナンスの必要の無いシステムを導入しておくことにより、常駐型の導入は不要となる。しかしながら、遠隔からメンテナンスを行えるような設定、ヘルプデスクとして、常時監視、支援を行える専任のスタッフが必要となる。

学習用コンテンツ開発も必要である。学習用コンテンツとして、教科書をそのままデジタル化したものや、小学校などでは、身近な地域のデジタル教材が授業で役に立つ。地域の視聴覚教育センターなどと共同で、地域の学習素材のデジタル化を進めていく必要があろう。また、これらの検索を容易にするソーシャルタギングシステムや、図書館司書のような役割の、コンテンツアドバイザなどの設置も検討したい。

学校Webサイトのより一層の充実が必要である。これまでも学校を開くために必要という反面、個人情報保護などの観点から、タイムリーな情報発信ができにくくなっている。情報発信の流れを見直し、より迅速に、安全に情報発信ができる体制作りが必要である。同時に、それを容易にするCMS(コンテンツマネージメントシステム)の導入も検討すべきであろう。

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