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3.2.4 技術専門家の関与
三木市教育センターでは、情報担当指導主事(教育センター副所長)と地元企業からの出向者が協力して、サーバ管理やネットワーク制御まで行う体制が作られていたが、このような仕組みが出来るまでには長い試行錯誤の積み重ねが必要だったと思われる。輪之内町教育委員会では情報教育専任指導主事により、ネットワーク管理から学校のコンピュータやネットワークにトラブルが起きた時のヘルプデスクの役目に加え、機器の新設から研究授業等のコーディネータに至るまであらゆる支援が行われていた。そして、財政当局との折衝の結果、機器導入をレンタルに切り替え、修理等を導入業者に委託出来る形にしたため、専任指導主事のみならず、現場の教職員の負担も軽減したとのことであった。4年間のレンタル終了後は、機器の更新と共に、利用してきた機器の寄附を受けることになっているなど、関連企業とも長期の連携関係を築いていた。
米国では、地域の教育センターに相当する学区の技術革新センター等に多数の技術スタッフを抱え、程度の差こそあれ、学校現場は、ネットワークの利用のみならず、掛図作成から写真引伸し、映像コンテンツの探索から授業時の利用、成績管理の為のデータベース構築から形成的評価を行う電子化教材・評価システム開発まで、技術に関わるあらゆる支援を受けることができる。日本の場合、学校現場の受けられる技術支援は非常に限定されているものの、今回の訪問先のように、地元や関連企業との信頼関係の下、その範囲を着実に拡げ、実績を挙げているところが出ていることは頼もしい。
現在は、サーバ等の運用を各々の学校で行う場合も多いが、担当者の負担が大きく、また深刻なトラブルが発生したときにセンター等から支援することが困難な場合も増えていることから、学校からサーバを無くし、教育センター等で集中管理可能なシステムに移行したいとの希望も多くなっているようである。さらに、適切な技術スタッフの確保が困難等の地域の特性に対応した、多様な形態を考える必要が生じると思われる。近年、教員志望のインターンシップ(体験学習)学生を配置するなど様々の試みが行われているが、教育と技術の両者に造詣の深い人材の教育現場への関与が鍵となろう。